理化学分析センターCENTER

当法人が提携する品質管理室理化学分析センターでは、放射線検査・残留農薬分析において試験所及び校正機関の能力を認める国際規格:ISO/IEC17025認定を取得し、精度ある分析、厳密な検査結果の提供を実施しております。

ISO/IEC17025とは

試験所又は校正機関が試験又は校正を行うことにあたり、その能力があるものとしての認定を受けようとする場合の一般要求事項を規定した国際規格です。
要求事項は、(1)管理上の要求事項、(2)技術的要求事項からなり、この国際規格の認定を受けることにより、国際的に通用する試験所として認知されます。

ISO/IEC17025
ILAC

放射線試験及び残留農薬分析でISO/IEC17025試験所認定を受けたJAB(公益財団法人日本適合性認定協会/Japan Accreditation Board)は、国際組織ILAC(国際試験所認定協力機構/International Laboratory Accreditation Cooperation)のメンバーです。
ILACとは、試験所・校正機関認定に関する国際的な相互承認を促進し、認定試験所に対する信頼感や試験結果の受入を国境を越えて行われるように促進している国際組織です。
JABより認定を受けたISO/IEC17025認定範囲の検査結果は、ILACの相互承認協定(=MRA)を締結している全世界の国や地域において有効となり、該当国での再試験・再校正の必要がなくなります。

放射線検査においてISO/IEC17025試験所認定を取得
国内では4機関目、厚生労働省登録機関以外では国内初の取得です

放射線検査において安全・安心を提供するためには、まずは自社検査の技術力を維持管理することが必要と考え、2011年12月、試験所及び校正機関の能力を認める国際規格ISO/IEC17025を放射線試験にて取得いたしました。これにより、より信頼性の高い情報提供が国際レベルで可能となりました。

原発の事故以降、青果物のみならず生鮮食品や加工食品また輸出製品などに対して放射性物質の検査要求が高まっております。それを受け各分析機関が様々な機器で、放射線測定を開始しておりますが、放射線測定では、各測定器により測定結果に差が生じやすく、また同じ機器でも検査精度の維持管理が測定結果に大きく係わることが問題視されております。このような課題をクリアするためにも、審査機関による試験所認定(放射線試験のISO/IEC17025取得)という形で、放射線測定の信頼性確保、技術維持に努めております。

ISO/IEC17025

検査結果の活用について

国内向製品 実施試験の妥当性評価への活用

  • 試験品の洗浄方法も含め厚生労働省、農林水産省の試験手順を実施し厳密且つ確実な検査を実施しております(下記 の認定範囲表をご確認ください)。
  • 2012年4月1日から施行された新基準値に対応した検査についても逸早く対応し、ISO/IEC17025適用は認定検査機関の中で最も早い認定となりました。(2012年4月5日適用)
  • 2012年4月20日農林水産省通知「食品中の放射性物質に係る自主検査における信頼できる分析等について」の試験所リストに記載されております。
    放射能試験におけるISO/IEC17025認定範囲は飼料以外ほぼ全てを網羅しております。

海外向製品 輸出先での受入時の検査証明への活用

  • 食品分析の分野では、コーデックス委員会(注)のガイドラインで食品の輸出入の規制に関わる試験室の条件としてISO/IEC17025への適合が求められております。
    注)コーデックス委員会は1963年に国際連合食糧農業機関(FAO)及び世界保健機関(WHO)により設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格の策定等を行っています。
  • 2012年3月27日農林水産省通知「香港向けに輸出される食肉及び家禽卵に関する証明書の発行について」では、放射性物質検査の実施に当たっては、食品の放射能測定を国際標準に基づき適切に行う試験所として日本適合性認定協会(JAB)からISO/IEC17025の認定を受けていることが条件と記載されております。

■ISO/IEC17025認定範囲(放射線検査)

認定取得年月日 平成23年12月9日 (更新適用年月日:平成24年4月5日)
試験項目 ヨウ素-131 セシウム-134 セシウム-137
対象品目 飲料水、牛乳、乳幼児用食品、一般食品、加工食品、原水、土壌、きのこ原木、ほだ木、菌床用培地及び菌床、肥料(牛ふん堆肥、雑草堆肥、稲藁堆肥、バーク堆肥)、培土及び土壌改良資材
試験方法
  • 食品中の放射性セシウム検査法
    (平成24年3月15日 厚生労働省通知食安0315第5号 別紙)
  • 緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリーのための試料前処理法
    (放射能測定法シリーズ24) (文部科学省 原子力安全化防災環境対策室)
  • ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクロトメトリー
    (放射能測定法シリーズ7) (文部科学省 原子力安全化防災環境対策室)

■ISO/IEC17025認定範囲(残留農薬分析)

認定取得年月日 平成22年2月23日
試験方法 食品に残留する農薬, 飼料添加物又は動物用医薬品の成分である物質の試験法
(平成17年1月24日 厚生労働省通知食安発第0124001号 別添)
  • GC/MSによる農薬等の一斉試験法(農産物)
  • LC/MSによる農薬等の一斉試験法I(農産物)
    :準用(最終定容量を変更)
  • LC/MSによる農薬等の一斉試験法II(農産物)
    :準用(最終定容量を変更)